ぶっちゃけ、スッチーが好きです。そう、飛行機で働く客室乗務員(CA)のことです。
アジアのエアラインにはよくあるように、日系のJALやANAなどの航空会社のCAは、かつて募集要項に「容姿端麗であること」という採用条件があったこともあり、キレイどころがいっぱいいらっしゃいます。
ただ、キレイというだけでスッチーが好きなのではないのです。言うまでもなく客室乗務員はただの「機上のホステス」ではなく、機内の安全を確保しなきゃいけない「保安要員」でもあるわけです。CAになるためには、何ヶ月もにわたる厳しい訓練を受け、それにパスしなきゃいけないし、なったらなったで、定期的に監査フライトがあって、それに落ちると飛行機を降りなきゃいけなくなるわけです。
飛行機が落ちれば当然自分も命を落とすわけだし、そういう極限状態に陥ったときに、乗客をパニックにさせないように最後まで職務を果たさなきゃいけない。すごく重労働だし危険な職務なのに、乗客の安全を守るために身を挺して命を賭けて働く姿、プロとして自分の仕事に誇りと使命感を持って働く姿、そういうカッコイイ姿に、魅せられるんだと思うんです。女子アナやレースクイーンとも違う、ただ笑顔を振りまいているだけじゃなくて、保安要員としての厳しい訓練と誇りに裏打ちされた凛とした姿がそこに見えるのです。彼女たちは高潔で気品あふれる「女神」に映ります。
冷静な判断で、多くの乗客が救われることがあります。1995年6月21日に起こった函館空港の全日空857便ハイジャック事件のとき。CAの1人が犯人の男に羽交い絞めにされて凶器を突きつけられて、乗客と一緒に十何時間も人質にされて極限状態に置かれたんですが、犯人が逮捕されたあとの記者会見に出てたんです。CAっていったってそのへんにいる普通の若い女の子のはずだし、事件に遭ったショックはシャレにならないだろうしそのまま出社拒否にでもなってもおかしくないと思うんですが、記者会見で冷静にそのときの情況を詳細に語っていたんですね。これはホントのプロじゃなきゃできないことだと思うんです。そのときからですね、CAって凄ぇな~って思い始めたのは。結局、彼女たちの冷静な行動のおかげで、犯人を刺激せず、誰も死なずに済んだんですから。
じゃ婦人警官や女性自衛官はどうなんだ、ということになるんですが、警察官はわれわれからみて「取り締まる側」の人間だし、自衛官は日ごろ目に触れないから、あまり萌えることはないんですね。
私としては、機内でベストなサービスをするスチュワーデスが最高の女性と思うわけです。シートに体を預け、シートベルトを締めて、静かに離陸の時を待つ。タキシーウェイを静かに滑ってく機内で、向かいのジャンプシートに腰を掛け、機内アナウンスの練習で口をもごもごさせているクルーに目をやる。ふと目が合い、お互いに笑みを交わす至福のひととき......これが飛行機の旅の醍醐味なわけです。
乗客として、私は彼女たちに最大限の敬意を払っています。機内に乗り込むときは、少なくとも出迎えるクルーに挨拶ぐらいはします。座席の上の棚に荷物を入れるときは、重い荷物なら、CAに任せないで自分で積み込みます。機内ではレディファーストが基本。通路ですれ違うときも、女性が通りやすいようによけてあげたりするとカッコイイと思います。
食事や飲み物をオーダーするときは、単語で話すのではなく、ちゃんと会話文の形で言うようにします。友人のCAがよく嘆いてるのが、何か頼むとき「コーヒー」とか「ビーフ」とか、とにかく単語しか話さない日本人乗客が多いとのこと。「コーヒーお願いします」とか「ビーフにしてください」とか、文の形にしてお願いすることができれば、受ける印象もだいぶ違ってくるんだそうです。
もちろん、食事や飲み物を頂くときや、下げてもらうときなどは、ちゃんと「ありがとうございます」とお礼を言うようにしています。そのとき、相手の目を見つめて、ニコッと微笑むことも忘れません。
目的地で飛行機を降りるときは、最大限の感謝の気持ちをこめて「お疲れさまでした」と声をかけるようにしています。この一言で彼女たちの疲れはたちまち吹っ飛び、とびっきりの笑顔を返してくれます。
当然のことながら、女神様を困らせるような行為は絶対ご法度。注意したCAを殴ったり機内で出迎えているCAの胸をすれ違いざまに触ったりなどは論外ですが(いるんだな、こういうことするバカが)、携帯を機内で使う、ラバトリーでタバコを吸う、ささいなことでキレてCAに怒鳴りつける......こんなことをするDQNな客は飛行機を利用すべき階層の人間ではないので即刻機内から立ち去るべきです。
飛行機は、洗練された紳士淑女のためのサロン。身を慎み、旅を愉しむことができる余裕のある者にのみ、機上の女神たちは微笑むのです。