September 2011 アーカイブ

昨今のグローバル社会、世界のデファクトスタンダード言語である英語をやらなきゃというのはわかっていても、日本で生まれて日本で日本人の親のもとで育った日本人にとって、中学・高校果ては大学まで最大8年勉強しても、マスターするのは至難の業です。

なぜ日本人は英語が弱いのか、数えきれないほどの専門家が意見を述べています。やれ英語の構造が日本語と全然違うからだとか、英語教育が英文和訳に偏り過ぎていて会話を教えないだとか、そもそも英語は日常生活に必要なくて、入試になんとか合格してしまえば忘れちゃって、日本にいる限り英語なしでも生きていけるからとか。むしろ英語をひけらかすほうが(特に英語を学ぶ機会の少なかった年配者に対しては)無礼で、キザで、ムカツクなどと受け取られちゃったりします。

英語ができる人に対して鼻持ちならない感情を抱く人がいます。「絵がうまい人」とか「プロのミュージシャン」とか「空手の達人」とか、「何かが得意」という点では同じはずなのに、彼らに対しては嫌悪感を抱かずに、英語ができる人に対してだけ不快感を抱くのも変な話だと思うんですが、戦後ずっと日本はアメリカのコントロールを受け、ビジネス面、経済面、軍事面、文化面すべてにおいてアメリカの影響を受けており、アメリカからいろんな事物が入ってくると日本人はそれに魅了され、特にここ15年ほどはアメリカの事例がすべて「グローバル・スタンダード」で、日本人も身につけるべきと喧伝されているのもあって、アメリカのものをなんとかして手に入れたいと頑張ってきました。とはいっても、頑張っても身につけられないものもいくつかあり、その一つが「英語」で、いくら頑張っても手に入れられないものへの愛情は、しだいに憎しみへと変わっていき、それが、それを簡単に身につけられた者に向けられるんじゃないか、と。そういう日本人の国民性があるので、予期しないところで人から恨みを買うのを避けるために、ほとんどの日本人は英語を話せないか、話せないふりをするようになったんじゃないでしょうか。人前で英語を使うのがキザと取られるのでは、英語を使うモチベーションは下がっていくでしょう。

私の個人的な考えとしては、英語をマスターするにあたってとるべき態度は「アメリカに過度に憧れるのをやめる」ことじゃないかと思っています。英語はアメリカ人だけの言葉ではなく、世界中の人が、ネイティブであってもそうでなくても、学んでいる「リングア・フランカ」だからです。海外に行くと、日本で主に教えられているアメリカ英語は実は世界的にはそんなに優位ではなく、特にヨーロッパや中東や東南アジアなど、むしろ会話や公共の表示などはイギリス英語のほうが使われていることがわかります。イギリス、インド、香港、シンガポール、マレーシア、オーストラリア......そこの人たちはそれぞれ地元の英語を使ってます。アメリカの中でも、ビジネスマンからホテルのフロント係員、タクシーの運転手、ニューススタンドの店員、いろんな人がいていろんなアクセントで話してるのがわかります。そこには正しいとか間違っているとかはなく、カッコいいとかダサいとかはないんです。みな英語なのです。

私達は英語の主人であるべきで、英語の奴隷であるべきではありません。英語を学ぶのは、アメリカの文化としてではなく、自分の拠って立つ国を代表して、自分の考えを世界のどの母語の人にも伝えられるようにするためのインタフェースとして学ぶべきと思います。そういう日本人が増えれば、日本人がもっと世界で影響力を発揮することができ、それが日本の国益にもつながるんじゃないでしょうか。

先週は、イギリスにどっぷり浸かってきました。

もともとはアメリカ一辺倒だったんですが、森薫の「エマ」と出会って以来ここ数年はむしろイギリスのほうに興味がシフトしていってまして、まずは初日は毎年恒例の國學院栃木高校の文化祭「國學院祭」のミュージカル部公演「Oliver!」を見に行きました。

Gate of Cultural Festival

「Oliver!」は、以前にも書いたとおり、イギリスのチャールズ・ディケンズの小説「オリバー・ツイスト」をもとにしたミュージカルで、孤児となって救貧院に入れられていたオリバー・ツイストがスリの一味に引き入れられながらも、財布をすろうとした相手の金持ちに拾われて幸せになるというお話です。

今年も講師の三枝幹音センセイはお元気でいらっしゃいました。

ということでまずイギリス気分に浸ったあとは、クルマを走らせて福島県のブリティッシュ・ヒルズに向かいました。ここは神田外語学院の研修施設で、20ヘクタールほどの敷地内にはイギリス風の建物が建ち並ぶ場所です。もとは神田外語学院の学生用の施設だったんですが、数年前から一般にも公開されています。スタッフの半分以上は外国人で、公用語は英語。日本人従業員も英語で話しかけてきます。

栃木から2時間ほどでブリティッシュ・ヒルズに着きました。最寄りのインターから30km以上離れた山の上にあります。門をくぐると、周りの標識がいきなり英語に変わります。まるで国境を越えたような感じになります。

British Hills Directory British Hills Bump

このごろFacebookやTwitterばかりでこのブログはすっかりごぶさたですが、生存報告です。

さてここ数ヶ月、英語版のブログのトップページのデザインが変になってて、Flickrのサムネイルやサイドバーが見えなくなっていたんですが、今日解決しました。理由は簡単、</div>タグをコメントアウトして<!-- /div -->にしようとしたところ、間違えて<!-- /div>になっていたのでそれ以降のページデザインに影響していたのでした。

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