今週のNewsweek Japanの特集は「日本はケータイ後進国?(A Lack of Mobility)」。
まさに僕が考えていることをそのまま代弁してくれてます。
着うたフルだGPSだおさいふケータイだとはしゃいでいますが、国外に一歩出ると全く使えません。
国際標準のSMSすら満足に使えない始末。
日本はキャリアが端末の仕様まで事細かに(それぞれ独自に)決めてメーカーに作らせるという非常に特殊な国ですから、メーカーはキャリア毎にそれぞれ別々に作り分けなければいけません。香港やシンガポールの人たちがNokiaの最新機種を楽しんでいても、日本で使おうと思えば、それを日本語化した上に、さらにキャリアの要求する仕様通りに開発を入れなければならず、出てくる頃には型落ち同然になってやっとリリースされる、という状態です。
海外で最新のスマートフォンを買ってきたとしても、日本のキャリアのコンテンツサービスはおろか、MMSすら使えないようにわざわざ制限がかけられていますから、せっかくのスマートフォンが、日本で使えるのはせいぜい通話とSMS程度という無残なことになってしまいます。
おまけに、日本で出してる端末にはほぼ例外なくSIMロックがかかっていますから、海外で現地のキャリアのプリペイドSIMに差し替えて使う、というごく当たり前のことすらできません。
逆に海外の利用者が日本に来て現地(日本)のキャリアを利用しようと思っても、まず日本にはプリペイドSIMというものがなく、プリペイド携帯電話を買ってくるか、キャリアが貸し出している携帯電話をレンタルしなければなりません。そもそもプリペイド携帯自体がキワモノ扱いされている昨今ですから、プリペイドサービス自体衰退していっている状況です。
#海外ではプリペイド携帯が主流ですが、プリペイド携帯による犯罪ってそんなにあるんだろうか?
最近MNPが始まりましたが、電話番号ベースでメッセージングが出来るSMSが普及しておらず、Eメールアドレスと同じ仕様のメールサービスを使ってるもんですから、せっかく電話番号が引き継げてもメールアドレスまでは引き継げない上に、端末がキャリアごとに違うもんですから、余分なお金を出して端末を新しく買い換えなければなりません。当然、昔の端末にインストールされていたアプリや着うたも引き継げませんから、買いなおし、ということになってしまいます。
そんな哀れな状況にもかかわらず、純国内専用サービスといってもいいauの契約数がMNP開始後に激増しているそうですから、ほとんどの日本人にとっては海外でのシームレスな利用なんて概念すら頭にないのかもしれません。
でも携帯電話は文字通り「携帯」するものですから、当然世界中どこででも共通に使えるものであるべきなのです。
日本の独自の「お家事情」によって利用者の利便性が制限されるなんて、まっぴらです。
まずは、キャリアは端末の仕様にまで口出しせずに、ネットワークサービスとコンテンツサービスだけに専念していればいいのです。
おさいふサービスとか、GPS位置情報とか、そういうのはメーカーが主導で考えること。
海外ではそれが常識です。