November 2005 アーカイブ

9月20日にボーダフォンは、秋冬商戦に向けた新機種として、NOKIA6680ベースの702NKIIを10月下旬以降に発売すると発表した(9月20日のエントリ参照)。しかしながら、10月下旬はおろか、11月に入っても発売されずにいる。この日に一緒に発表された「703SHf」「703N」「V604SH」の3機種は、もう既に発売されたのだが、ノキアの702NKIIだけはいっこうに発売される気配はない。しばらくして、ボーダフォンは11月15日に2005年度中間期決算を発表し、その中で702NKIIについて「11月に発売する予定です」と明言している。にもかかわらず、11月が終わろうとしている今日になっても、その約束は果たされないままだ。

既にいろんなところでいろいろな噂が流されている。「12月23日発売予定だ」「いや発売は来年の1月だ」「発売中止になる」「価格面でノキアとボーダフォンが折り合わず発売できない」「勝手アプリの封印処置のためにリリースが遅れている」「コンテンツプロバイダからの圧力でMP3再生機能を使えなくしているための遅延だ」「Vodafone live!へ接続するソフトウェアのバグ修正に時間がかかっている」云々。どれを信じればよいか全くわからず、一般ユーザーは蚊帳の外で錯綜する情報に振り回されているのが現状だ。

問題なのは、約束を1ヶ月以上も反故にしながら、何の連絡もコメントもしないボーダフォンの姿勢だ。

天皇陛下の第一皇女、紀宮さま(36)と、東京都職員、黒田慶樹さん(40)の結婚式が今日、帝国ホテルで行われた。

今朝の帝国ホテル前の様子。天皇・皇后両陛下はじめ皇族方が総出で参列されるので、このように戒厳令が敷かれている。

Imperial Hotel

報道陣もいっぱい。どこかの局の女子アナたちもスタンバイ中。

Reporter speaking in front of camera

報道車両もぎっしり。

Press vehicles

もちろん、その反対側には警察のワゴン車がびっちりと停まっていて、水も漏らさぬ警戒。

Press vehicles

このようにパチパチと携帯で写真を撮っていると、警察官が来て「すみません、何を撮ってるんですか?」と職務質問されてしまった。「今日はめったにないイベントなので、このあたりの風景をつれづれに撮っている」と答えると、それ以上とくに咎められなかった。警察の車両とか撮ってたから怪しまれたのかな。まあ特段「消せ」とも言われなかったからいいか。

皇女の結婚式は1960年の島津貴子さん以来45年ぶり。もちろん生まれて初めてのこと。また皇女の結婚式としては初めてのホテルウエディングで、式は神前式。披露宴は媒酌人を立てず、現代の結婚式に沿う形になった模様だ。

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歌手でミュージカル女優でもあった本田美奈子(本名・工藤美奈子)さんが11月6日、急性骨髄性白血病のため死去。38歳。

僕がちょっとだけミュージカルに興味を持っていた一昨年から昨年にかけて、よく巡回していた劇団のサイトの一つにミュージカル座というところがあって、そこの「ひめゆり」という公演に主演していたのを知っているのだが、確かそれは昨年のことだったと思う。それからすぐに病気がわかり、今年の初頭に闘病宣言、そして今回の報。状況のあまりに急な変化に、ただただ絶句するのみである。

ご冥福をお祈りしたい。

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Hong Kong breakfast

空港で摂った最後の香港の食事。やはり最後は香港粥で締めなくては。

香港を朝9:30に出発する便に乗らなければならないので、早朝にチェックアウトし、朝6:40梅窩発のバスに乗り、空港へ向かった。

空港に着いたのは7:20頃。

Hong Kong International Airport

さっさとチェックインと出境手続きを終わらせ、レストランで上述の朝食を食べて免税店へ向かうと、もう30分ぐらいしか買い物の余裕がなかった。

「優の良品」という有名な日本菓子(?)土産店で会社向けのお土産を買おうとする。大きなお菓子パック1袋130HK$(約1800円)だけ買おうとしたところ、店員が、「2ツデ230ドル。ヤスイ!」と強引に2パック買わせようとする。まあ他の土産選ぶ手間が省けていいと思ったので2パック買うことにした。細かい札がなかったので100ドル札3枚出してお釣りをもらおうとしたのだが、その店員は他の品物をあれこれ勝手に選んで袋に詰めてレジに持って行き、「ハイ、300ドル」と言って、きっちり300ドル分買わされてしまった。まあどうせ香港ドルはこの空港で使い切るつもりで買い物してるわけだから別にいいけど、それにしても強引な売りつけ方だなあ......。日本人旅行者向けの店はこういうタチの悪いことする奴がいるから気に入らん。まだ街中の店のほうがよっぽど良心的だった。

あとは、香港(というか中国)の酒など適当に買ったら、ボーディングの時間が来てしまった。

機内に入り、自分の座席に座ろうとすると、隣に座っていた中国人の若い兄ちゃんが「そこは仲間の席だ」と強弁する。一瞬、席を間違えたかと思って搭乗券の半券を取り出して見ると、確かに僕の席はそこに間違いない。しばらくしてトイレから戻ってきたその仲間の子に搭乗券を見せてもらうと、彼の席は座ろうとしたところの1つ前の席だった。彼は素直に間違いを認めて座席を明け渡してくれた。で、席についたはいいが、その兄ちゃんたちを含めたガキ共学生らしき団体、僕の座席のまわりを取り囲むような形で、頭越しに仲間同士で広東語でデカイ声でギャイギャイ喋りまくるわ、金は渡し合うわ、まあやかましいことこの上ない。格安のエコノミーだからこういうことも仕方ないか。いちいち反応していたら海外旅行などできない。

0930HKG-1430NRT
帰りのユナイテッド航空には、若い日本人スチュワーデスが1人乗務していた。とはいっても外資系なので、全日空のようなサービスは期待できず。
離陸すると、「これから映画を上映するので、映像効果を高めるため、窓のシェードを下ろしてください」と言われ、全員強制的にシェードを下ろさせられた。外の景色でもぼーっと見てようと思ったのにそれも許されず、そんな画一的な扱いがあるか~!と言いたかったが、格安チケットの身では仕方ない。映画はニコール・キッドマン主演「奥さまは魔女」。そんなもん、別に見たくもない。ということで、僕はひたすら免税品のカタログを見ていた。アメリカの商品なので何か記念に買って帰ろうと思って、コンパクト血圧計を買ってしまった。お値段はUS55$(約6000円)。日本で、そこらの電気屋ででも買ったほうが安かっただろうけど、まあ旅行の記念だし、それに英語表示でカッコイイし(笑)。

機内食を食べてしばらくすると、気流の悪いところに突っ込んだようで、機体が激しく上下動を繰り返した。すぐにシートベルト着用サインが点灯し、乗務員含め全員に着席の指示が出た。激しく揺れる機内で、ふと「死」という一文字が浮かんだ。これが行きの機内で死んじゃったら悔やんでも悔やみきれないけど、現地で十分楽しんだ帰りだったら、別にこのまま死んでも悔いはないか。結局、成田に着くまでその状態が続いたのだが、無事に着陸するまでは生きた心地がしなかった。

成田に着いてからは、重いお土産と混んだ電車で周りの白い目に耐えながら、バスと電車を乗り継いで家路につく。雨に降られてしまい、傘もさせずヒィヒィ言いながらやっとの思いで家にたどり着いた。

教訓:少々時間と手間と金がかかっても、なるべく空港へは車で来るべきだ。

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香港に持っていったボーダフォン702NKが、港内で受信した携帯キャリアの電波。

Roaming into CSL
空港到着時。
Roaming into Sunday
昂坪バスターミナル。
Roaming into Smartone
MTR東涌駅。
Roaming into 3 (2G)
KCR美孚駅の乗り換えのところ。

これ以外にも、NEW WORLDも場所によってキャッチしていた。ランタウ島の真ん中あたりに行くと、「CMCC」という表示が出たりした。これはどうやら中国のチャイナモバイルで、はるばる大陸から電波をキャッチしているようである。

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Signs on MTR platform

Sign at MTR escalator

MTRの駅のホームでよく見かけた注意書き。

このフォントって、なんとなく

電車男

のフォントと似てない? という気がする。

電車つながりなのかな......。

それだけ。

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Roasted duck and chicken with rice

鶏肉・鴨肉の焼臘飯。香港人はこういう肉乗せご飯やぶっかけご飯の類が大好きらしく、発泡スチロールの容器に入ったぶっかけご飯を店の中などでがっついているのをよく目にした。

前回の旅行のときは体調が悪く、食欲がなくて胃が香港の食べ物を受け付けなかったのでろくに食事ができなかったのだが、今回は多種多様な食を堪能させてもらった。

前回は日本のガイドブックに載ってるようなわりと高級な店しか行かなかったのだが、今回は街角の茶餐庁に飛び込みで入ってみたり、「臭い飯」を食ってきたり、B級グルメに挑戦してみた。

旺角の女人街近くにある某茶餐庁では、海老入り雲呑麺をオーダーしてみた。1杯17HK$(約250円)。雲呑は噛むとちょっと臭くて、あまり美味いものとは決して言えなかったが、こういう雰囲気を楽しむのも香港の醍醐味なのかもしれない。麺はお台場の「新記」で出てくる香港麺と一緒。まあこっちのほうが若干安っぽい食感だったが。料理が臭味があるのはまあいいとしても、あとから入ってきて相席で座ってきた黒人の集団の身体の臭いこと! オマエラ絶対1ヶ月ぐらい風呂入ってねーだろ、っていうぐらいの臭さだった。

Soup Vegetarian foods

寶蓮寺で出てきた精進料理。左は煮込んだ瓜や人参などが入ったスープ、右は野菜炒めと揚げ春巻。精進料理なので当然、野菜しか使ってないのだが、それでもいちおう中華料理なので、油を使ってしっかりと炒めてあり、これだけ全部食べるとお腹いっぱい。ご飯はおかわり自由、というかステンレスの鍋にぎっしり入って出されてきて、茶碗に適当によそって食べる。当然全部食べきれないので、頃合を見てウエートレスが下げに来る。

そして、やはり香港といって忘れてならないのが、デザートの亀ゼリー。

Turtle jelly

こちらは大圍駅近くの涼茶舗の亀ゼリー。ホットとコールドが選べるので、せっかくなので日本でまず食べられないホットのものをオーダー。そのままでは苦味があって食べにくいので、一緒に出されるシロップをかけて食べるのだが、個人的にはシロップなしのほうがいける気がする。

Turtle jelly

これは有名なチェーン店、許留山のもの。今度は冷たいほうをオーダーしてみた。薬のようだが、なんとなく爽やかな後味が残る。なんの味だろうとしばらく考えてみると、どうやらこれは昔の仁丹の香りに近いような気がする。まあ日本人には好き嫌い分かれるかも知れない。

いずれも値段は33HK$(約450円)。雲呑麺の倍近くもするというのがなんとも......。

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Sincere Podium

香港在住携帯博士・山根康宏氏イチオシの香港一の携帯電話マーケット、先達廣場。何十軒もの携帯ショップが所狭しと軒を連ね、最新機種から中古品までいろんな種類の携帯電話や、アクセサリーが売られている専門店街である。

Mong Kok

MTR旺角駅のD1出口を上がると、眼前には電気街やVideo CD/DVDショップ、そして携帯ショップが広がっている。少し歩くと、左手に先達廣場のビルがある。

先達廣場は3階建てになっていて、1階と2階には携帯ショップ、3階はフィギュア・鉄道模型・アダルトグッズなどの専門店となっている。携帯電話は新規・中古含め各種売られているが、1階よりも2階のほうが若干安いようだ。店先に気だるそうに立っている店員の中国人のお姉さんたちは、どことなく日本の繁華街にいる中国エステの立ちんぼのお姉さんを思わせる雰囲気である。

香港はじめ東南アジア・ヨーロッパ諸国の携帯電話の買い方は、日本とまるっきり異なっている。日本では、携帯電話を買うときは、まずドコモやauなどの携帯通信事業者と契約をし、ドコモならドコモの機種を、auならauの機種を選んで買うようになっている。ところが、こちらでは機種は機種として選んで買い、携帯通信事業者は別にキャリアショップに行って契約するようになっている。たとえば、NOKIAの機種を買って、SmarTone-Vodafoneの携帯通信事業者と契約する、といったぐあいである。事業者と契約したときに貸し出される小さなICカード(SIMカード、またはUIMカードと呼ばれる)を電話機の中に差し込んでスイッチを入れると、その事業者の携帯電話として使うことができるようになる。

このやり方は日本人から見ると二度手間のように感じられるのだが、電話機の規格や仕様が事業者にかかわらず統一されているので電話機メーカーからすればいちいち異なった仕様の電話機を何種類も作らなくても済み、また利用者の立場からは、もっと安い事業者が出てきてそれに乗り換えるときに、わざわざ電話機ごと買い換えなくても済むというメリットがある。また国を問わず仕様が共通なので、国をまたいだローミング利用が簡単だったり、逆にそれぞれの国ごとに違う事業者と契約して、1台の端末でそれぞれの事業者と入れ替えて利用できるというのも大きな特徴である。さらに、アクセサリーが世界共通なので、どこの国へ行っても共通の部品が手に入るという利点もある。

日本でもボーダフォンから売り出されているNOKIA6630や、まもなく売り出される予定のNOKIA6680に対応した着せ替えカバー、キャリングケース、メモリ、Bluetoothヘッドセットなど、日本ではNOKIAの携帯電話自体あまり出回ってないので、これらはNOKIAショップで細々と割高の値段で売られているだけなのだが、香港では当たり前のように多種多様なものがリーズナブルな値段で並べられている。

ということで、もうすぐ日本で発売されるNOKIA6680に対応した着せ替えカバーと256MBのRS-MMCメモリ、キャリングケース、そしてBluetoothヘッドセット(NOKIA HS-36W。日本未発売)を買ってきた。あと、持ってきた携帯電話(702NK、NOKIA7600、NOKIA6650)のバッテリ=の残量がそろそろ危なくなってきたので、香港の電気プラグの形状に対応した充電器もゲットしておいた。

先達廣場を出ると、西洋菜南街という通りに出る。ここは夜になると歩行者天国になる。

Sai Yong Choi Nam Street
Sai Yong Choi Nam Street

まさしく、お台場の「台場小香港」のモデルそのままの風景が展開されていると感じたのは僕だけだろうか。

Daiba Little Hong Kong
※参考:台場小香港

【参考】深水埗

ちなみに、旺角から地下鉄で数駅行った深水埗というところにも、電気街がある。

Sham Shui Po

こちらは、モバイル関連よりも、PCのマザーボードやパーツなどがメインで売られている専門店街のようである。

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Tseng Wan

新界の西の玄関口、荃灣の街並み。

MTRの荃灣線で、終点の荃灣で降り、九廣西鐵の荃灣西駅までそぞろ歩きしてみた。もうここまで来ると日本人など一人も見当たらない。店に入ると店員も僕のことを現地人だと思って広東語で話しかけてくる。

Denise Ho JUSCO at Tseng Wan

ちょっと大き目のショッピングモール。人だかりがするので見てみると、地元の歌手らしき人のサイン会をやっていた。誰だかよくわからんけど。

荃灣西からKCRに乗り、終点の屯門めざして電車に乗ってみる。昔ながらの中国の街並みが見え隠れする。下の写真は新界北西部の元朗付近のもの。はるか向こうには中華人民共和国の領土らしきビル群が見える。

Shenzhen over there

終点・屯門。時間があまりないので周辺の散策はせず、駅前の写真を撮るにとどめる。

Tuen Mun Tuen Mun

屯門からLRT(輕便鐵路)という路面電車のような電車で元朗まで引き返す。

LRT

途中の停留所から人が乗ってくる。杖をついたおばあちゃんに席を譲る女子学生。ちょっとだけ、地元民の生活を垣間見たひとときだった。

LRT streetcars LRT Hung Shui Kiu stop

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The Big Buddha

去年の訪港の際には時間がなくて見られなかった大仏を、リベンジということで見てきた。

露天の座仏としては世界最大規模で、ランタウ島中西部の昂坪(ゴンピン)というところにある寶蓮寺(ポーリン寺)という禅寺の離れに、天壇大佛として鎮座ましましている。

梅窩から昂坪行きのバスに乗る。野牛がのそのそ歩き牛糞がところどころ落ちているガタガタした道をひたすら昇っていく。

Prison in Lantau Island
途中に見えた刑務所。すぐ目の前が海、背面が崖では脱獄は困難だ。運動場では受刑者たちがサッカーをしているのが見えた。

40分ほど走ると、昂坪バスターミナルに着いた。

Po Lin Monestary

島の中なのに非常に標高が高く、暑い香港の中でもこのあたりは涼しい。

バスを降りると、すぐのところに寶蓮寺の山門があり、その反対側に天壇大佛がある。

The Big Buddha

ごらんの通り、200段以上もある石段を登っていかなくてはならない。地元の人も外国人もみんなヒィヒィ言いながら登っていってたが、僕にとってはそれほどきつくなかったように思う。まだまだ若いということにしておこう。

大仏の基壇は3階建てになっていて、中は展示館になっている。1階部分は誰でも自由に出入り可能だが、2階と3階は入口で食事券を買っている人しか入ることはできない。食事とは寶蓮寺で出される精進料理のことで、60HK$(約900円)で食事券を買うと、それが展示館の2階3階部分の入場券も兼ねる形になっている。

展示館の1階は、ぐるりと1周まわることができるようになっていて、釈迦の生涯を絵とともに英語と広東語で紹介している。僕も釈迦の生涯なんて知らないことだらけだったので、この解説だけでも十分勉強になった。

近くにはミュージアムショップがあった。お菓子でも売ってたら会社への土産に買っていこうと思ったけど、売ってるのは大仏のミニチュア像とか数珠とかお守りとかばっかりだったので、とりあえず数珠を記念に買った。これから冠婚葬祭などで使うかもしれないし。

有料の2階3階部分へ行くには、1階の受付で前述の食事券を提示する。「No pictureだからね」と念を押される。ここから先は写真撮影禁止となっている。

2階に上がると、釈迦を頂点に、それに従う百仏を描いた絵が一面に展示されていたり、仏教をテーマにした水墨画、山水画などが飾られている。そして、案内板に、「仏舎利(舎利子)とは何か?」ということで、英語と広東語で仏舎利の説明が書いてある。仏舎利とは、釈迦の火葬後、その骨を砕いて諸国諸寺へ広められたものであり、非常に貴重で有難いものとして近隣諸国の寺院に保存されているものである。そのような仏舎利が、ここにも安置されており、案内板に続く階段で3階部分に上がると、そこにきらびやかに飾られて、観光客の目玉として拝観できるようになっているのである。

石段を降り、隣の寶蓮寺に入る。

Po Lin Monestary

本堂の左側の脇に、精進料理を出してくれるところがある。さきほど買った食事券を入口で示して中に入ると、料理が出てくる。

Vegetarian food restaurant

食事を終え、堂内を散策してみることにする。

Po Lin Monestary directory

お寺とはいっても、人々のお参りの仕方は中国式で、両手を合わせて3回お辞儀している人や、ひざまずいて拝礼する人もいる。ひざまずけるように拝殿の前に膝をつけるクッションが用意されている。お参りするときは老いも若きもみな真剣そのもの。ちなみにこちらの寺院では「賽銭箱」ではなく「香油箱」と書かれていて、英語では「donation box(寄付箱)」となっているようだ。

Sanctuary and donation box
Main hall

寶蓮寺のメインとなる場所である、「大雄宝殿」。上の階では僧たちが法会中で、読経の声が響き渡る。

Monks holding a ritual

下層階は、拝殿がいくつかあるほか、このような展示物があり、ブツマニア(?)垂涎のスペースである。

Ornaments in Po Lin Monestary

旅行に出かける前に「香港で大仏を見に行ってくる」と言うと「香港に大仏?」と怪訝そうな反応を示す人が多かった。ここを知る日本人はあまりいないらしく、参拝者のほとんどが地元の人か、金髪の欧米人だった。このような仏教のお寺にでも、欧米人が何の違和感もなく溶け込んでいる。日本だと、京都や奈良のお寺に行く欧米人はいても、彼らは「ガイジン」として特別な目でみられがちだが、ここでは洋の東西にかかわりなく、一人の旅行者として扱われているというのが、とても新鮮に思えた。

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Che Kung Miu Temple

地元の人々を疫病から救ったといわれる伝説の将軍・車公をまつった車公廟。KCR(九廣鐵路)の大圍駅から馬鞍山鐵路に乗り換えて1駅。そこで降りて車公廟路という大通りを大圍方面に5分ほど歩くとすぐ見えてくる。

入口から入ろうとすると、線香などを売っている屋台のおばさんが声をかけてくる。参拝セット1式80HK$(約1200円)とのこと。まあせっかくお参りするんだから買っていくかと思い金を払うと、ぶっとい線香が何本もと、「香油」という油の入ったペットボトルを2本、渡された。こんなにいっぱいどっさり渡されてもどうすればいいのかと途方に暮れていると、中にいた係のお兄さんが寄ってきて、英語でお参りの仕方を教えてくれた。まず、線香を入れている赤い袋から線香を取り出して、袋の裏側を示し、「ここに名前と、願い事を書いて」と言われた。とりあえず名前と、「let me make money」とか適当に願い事を書いてお兄さんに渡すと、お兄さん苦笑いしていた。その間に別の人が僕の線香に火をつけてくれ、その線香を持って、「come here」と言って正面の大きな線香立てに連れて行かれた。

線香立てから拝殿に向かって、「こうして、線香を手で前に持ちながら、3回お辞儀して拝礼する。終わったら、その線香を線香立てに立てる」ということなので、言われたとおり拝礼して、線香を立てた。終わると、また「come here」と言われ、今度は細い線香の束を渡された。

「今度はこの線香を、あそこにある線香立てに3本ずつ立てていって」と、別に何台か置いてある線香立てに案内された。もう何がなんだかわからないまま言われたとおりに動いていたので、どうやってお参りしたかよく覚えていない。

Che Kung Miu Temple

拝殿。中に入ると、3回廻すと運命を変えられるといわれる風車が何台か置いてあった。金運を好転させることを願いながら、ゆっくりと3回廻した。

車公廟を出て、河原に沿ってしばらく歩くと、大圍駅前に出た。

Tai Wai

香港特有の、ぼろぼろの建物に囲まれた街並みだが、人通りは多く、けっこう繁華なところである。しばらくうろうろしたあと、駅からKCRに乗って都心に向かうことにした。

駅のホームで電車を待っていると、蝶が一羽舞っているのが見えた。

これって、ひょっとして「香港バタフライ」ではないだろうか。角川Web映画で、見た人に奇跡をもたらすといわれている蝶。映画では5年住んでも見られないと言っていたが、こんなにすぐに見られるなんて! これはきっと車公廟さんにお参りしたご利益に違いない。

自分の生活に奇跡が起きることを祈りながら、帰路についたのだった......。

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Silvermine Beach

シルバーマインビーチの夜明けがまぶしい。

朝の散歩がてら、梅窩の街を散策してみた。

Mui Wo city centre

ホテルの裏手から5分ほど歩くと、梅窩の中心地に出る。とはいっても公民館のような役場があって、そこを中心に商店街のようなものが一つの通りに広がっているだけのごくシンプルなものだ。だが人々は朝からそこに集い、食堂のようなところでまったりやっていて、とてものどかな雰囲気だ。犬が鎖もつけないでそのあたりをうろうろ歩いているのだけは閉口したが。

Mui Wo

手押し車を押しながらゆっくりと通りを歩くおばあちゃん。近くの軒先では豚を2頭解体中。その隣ではダックを丸焼きにして吊るして売っている。その向かいは役場。ここではもう何でもあり。

Mui Wo

メインの通りを抜けると、雄大な山々をバックにしたゆったりとした空間が広がる。ちょうど通学時間帯だったので、小学校へ向かう子供たちが仲良く歩いていた。

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遅めの夏休みということで、今年も去年と同様、香港に行く事にした。去年、時間がなくて世界最大の大仏が見られなかったり、体調が悪くて飯が美味く食べられなかったという悔いを残しているので、そのリベンジという意味もある。それ以外に、旺角の先達広場という電気街で怪しい携帯電話関連グッズを物色してくるのと、新界の町を適当にほっつき歩くというのが主な目的である。

Daiba Little Hong Kong

これはお台場の台場小香港。ここで雲呑麺を食して頭を香港モードに切り替え、有明からのエアポートリムジンで成田へ向かう。

バスの中は日本人はおらず、プロレスラーのようなゴツイ体格のコワモテのアメリカ人のオッサンが2人、僕の近くに座っていた。少しビビリながら座席につき、シートベルトを締めようとするのだが、ベルトがバックルにカチッと装着できない。うまくささらず何度かガチャガチャやっていると、そのコワモテのアメリカ人たちが、「それは隣の(シートベルト)だよ」と親切に教えてくれた。ありがとう。実の気のいい兄ちゃんだったんだね。疑ったりして悪かった。

今回は、ユナイテッド航空の格安航空券。Eチケットということで、航空券はない。チェックインカウンターに行こうとしたら、係員のおじさんが「Eチケットだったらあっちの機械でチェックインすれば、カウンターでわざわざ並ばなくていいよ」と教えてくれたので、機械でチェックインする。あらかじめ印字されている予約番号を入れ、パスポートを読み込ませればチェックイン完了。マイレージ登録のため、マイレージプラスカードを機械に挿入し、読み込ませる。作業が終わると、搭乗券の大きさの控えが2枚、出てきたのだが、肝心の搭乗券らしきものがない。横に立っていた係員に訊いてみたら、このままゲートに行けばいいと言う。こんなので本当に大丈夫なのかと半ば不安になりながら、手荷物検査場へ向かう。

手荷物検査では、金属製の物はあらかじめ取り出してトレーの中に入れて検査官に提出するのだが、携帯電話と鍵を取り出し忘れてしまったため、金属探知ゲートが反応してしまった。係員に脇へ連れ出され、靴を脱がされて念入りに検査を受けることになってしまった。携帯電話と鍵を取り出してから再度ゲートをくぐると、今度はOKだった。

出国審査も、祝日の夕方の時間帯だけあってだいぶ混雑している。列の後ろに並んでから審査を通過するまで30分ぐらいかかったんじゃないだろうか。

ようやく搭乗ゲートにたどりついたのは4時前ごろ。6時の搭乗アナウンスまで少し時間ができたので、ノートPCを開くと、Wireless LANの電波を拾い、IPアドレスが表示されるのだが、そのままメールを読み込もうとするとうまくいかない。Firefoxを起動させると、

WiFi at Narita Airport

初期画面としてこんなのが出てきた。どうやらIDを1日500円で購入して利用しなければならないらしい。たったの2時間のために500円払うのもばからしいと思っていると、Web画面の下のほうにNTT CommunicationsのHOTSPOTのアイコンがある。クリックしてみるとこんなのが表示された。

HOTSPOT at Narita Airport

HOTSPOTのアカウントであればOCNのオプションとしてついているので、その認証IDとパスワードを入れてみたのだが、うまくログインできない。どうやらユーザIDとして@hotspot.ne.jpで終わるものを入れなければならないようである。といっても、僕が持っているHOTSPOTのIDはOCNの認証IDしかないので、これでは利用できないことになる。どうやって使えばいいのかよくわからんので、ここでの無線LANはあきらめることにした。

さてそうこうしているうちにボーディングの時間になったので、搭乗口近くのカウンターに向かい、搭乗券をもらいに行く。劇の公演の受付のように搭乗券を何枚か取り置いてあったようで、そのうちの1枚を渡してくれた。それを持ってゲートの改札をくぐり、機内に入る。

さすがに去年の全日空と違って若い日本人女性のスチュワーデスはおらず、そこそこ年季の入った中国系の女性や、肌の浅黒いインド系の男性がクルーとして働いていた。乗客のほうも、団体ツアー客とおぼしき日本人は見当たらず、地元の帰省客か、欧米人か、ディズニーのキャラクターのぬいぐるみを常に抱きしめている日本人女性3人組、など癖のありそうな人たちばかり。まあ普通の日本人はこんな便には乗らんわなあ。

機体はボーイング747-400で、エコノミーシートのかなり後方の4列シート真ん中の席をアサインされてしまった。まあ格安航空券なのでしょうがないか。座席のヘッドレストのところにTV画面がついておらず、前方に大きなスクリーンがあるのだが、今回に限って故障しているらしく、映画サービスが提供できなくなってしまった。そのことで乗務員一同お詫びのアナウンスがあったのだが、さすがアメリカ系の航空会社、それだけではなかった。

乗客1人1人に葉書のようなものを配り始めた。映画サービスが提供できないことに対する損害賠償請求のためのフォームだったのだ。ここに名前と住所を書いて提出すれば、後日なにがしかの補償があるのだという。いったい何がもらえるのだろう。何ドルかの商品券だろうか。小切手だったりしたら寒いなあ。

1845NRT-2225HKG
本当はフライトマップでも視ながらぼーっと過ごしたかったのだけど、座席にTVがついていないし前方のスクリーンも使えないので、免税品や通信販売のカタログなどざっと読んでいた。アメリカ系の航空会社なので、アメリカの品物が中心。アメリカ製品好きな僕としては何か買っていきたいところだが、行きの荷物を増やすのもアレなので、帰りの楽しみにとっておくことにする。

機内食は夕食が1度だけ。これも洋食だった。酒のおつまみにプレッツェルが出る。

10時半ごろ、香港に到着。空港内での要領はもうわかっているので、さっさと入境手続きに向かう。到着ゲートは少し離れた場所だったようで、ターミナルまでシャトルが走っている。

入境手続きを終えてロビーに出るころには、もう11時前になっている。店はちらほら開いているが、梅窩に取ってあるホテルに12時にはたどり着かなければならないので、さっさと空港をあとにし、タクシー乗り場を探す。梅窩へはバスでも行けるのだが、11時20分まで発車しないし、速度も遅いので、さっさとタクって行くことにした。

スカイブルーのクラウン・コンフォートのタクシーを拾い、「ムイウォー、フェリーターミナル、プリーズ」とカタコトの英語で話しかけてみる。すると、運転手は、怪訝そうな顔をして「ムイウォー?ビンド?」と訊いてくる。梅窩のどこかと訊かれたのだとピンときて、「フェリーターミナル」と言ったのだが、わかってもらえない。こちらは英語しか喋れないので「フェリーターミナル」とか「バスターミナル」とか言葉を変えつつ英語で何度も言ってみるのだが、英語が通じないらしく、らちがあかない。運転手は乗り場に入ってきた後続のタクシーの運転手を呼び、助けを求めた。後続のタクシーの運転手のほうは英語がわかるらしく、「巴士站(バーシージャン:バス停)」と通訳してくれたら、最初の運転手は理解したようで、おもむろに走り出した。それにしても、前回の香港旅行では英語で何不自由しなかったのに、のっけから英語の通じない場面に出くわし、面食らってしまった。

タクシーはまるでジェットコースターのように思いっきり荒い運転で峠を攻める。振り落とされそうになるのをこらえながら、40分後、梅窩のターミナルに着いた。130HK$ちょっと(約2000円)。降りるとき、試しに覚えたての広東語で「ドーチェ、ドーチェ(多謝多謝)」と言ってみたら、運転手さんの顔がほころんだ。やはり広東語で話してみると親しみがわくらしい。

Mui Wo bus terminus

ターミナル前のセブンイレブンでミネラルウォーターを買い込み、銀鑛灣酒店へ向かい、チェックインする。ここのホテルは前回にも泊まったところで、手頃な値段でまったりした雰囲気が好きだったところなので、今回もここに泊まることにした。

Silvermine Beach

部屋は前回よりもきれいな部屋で、ビーチが見えるとても雰囲気のいいところだった。とはいっても遅い時間で、いい加減疲れてきたので、感慨にふける間もなくさっさと眠りについてしまうのだが......。

Silvermine Beach Hotel bedroom

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片瀬那奈・しらたひさこ主演の角川Web映画「香港バタフライ」がネット配信されている。

生まれつき運に見放された人生を送る主人公の菜穂美(片瀬那奈)。失意の日々を送っていると、香港在住で旅行代理店に勤める友人、真紀子(しらたひさこ)から突然、香港への誘いのメールが届く。香港へ向かった菜穂美は真紀子の手がける「開運ツアー」のモニターとして香港の観光スポット各地を回るが、運の悪さは相変わらず。失意のうちに日本に帰ろうとする菜穂美に、真紀子は香港バタフライの伝説を語る。昔・イギリス人と結婚して香港にわたり、事業を起こして大成功した日本人女性の周りを常に飛んでいたという伝説の蝶である。その蝶の奇跡を信じる菜穂美だが......。

新界の車公廟に参詣したかと思うといきなり香港島の文武廟に瞬間移動したり、香港で仕事しているはずの真紀子が仕事の連絡にボーダフォンジャパンの携帯を使ってたり(ボーダフォンが協賛だからね......でもせめて702NKにしてNokia Tuneを鳴らしてほしかったな)など、突っ込みたくなるところは多いのだが、香港政府観光局が特別協賛していることもあって、香港の風景をくまなく紹介する作りになっており、見る人を香港の街にひきつける、というしかけだ。

NTT西日本のインタラクティブ・コンテンツ配信システム「Vi! Click」による配信。本編だけでなく、アイコンのクリックによって映画のシーンに関連したロケ地の解説や観光ルート検索などが可能となっている。

11月1日からVodafone live! BBでも配信が開始された。また同じく協賛する全日空の香港便の機内でも視聴が可能となっている。

この映画ですっかり頭の中を香港モードに切り替え、今日から3泊4日の行程で香港に向かうのだった......。

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The Manto Gyoretsu procession The Manto Gyoretsu procession

家の近所での今夜の光景。

日蓮宗系のお寺の定例行事で、日蓮聖人の命日である旧暦10月13日の前後に行われる「お会式(えしき)」という法要を執り行うにあたって、このように桜をかたどった万灯行列が出て、笛を吹いたり鉦やうちわ太鼓を賑々しく打ち鳴らしながら町を練り歩く。

地元のお寺では毎年11月2日に行われている。

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