February 2004 アーカイブ

Rebbeca Blood著 yomoyomo訳「ウェブログ・ハンドブック」読了。ウェブログの概要から書き方まで、特定のウェブログツールに偏らず、一般論を中心とした解説とアドバイスが中心であった。

この本でポイントとなっていたのは、「とにかく、自分の書きたいときに、書きたいものだけを書くこと」を強調していたことだろう。個人でブログを運営するときには、最初は自分が書きたいことを書いているのだが、だんだん読者が増え、固定客がつくようになってくると、そのうち自分の書きたいことよりも、読者に受ける内容を書かなければという強迫観念に取り付かれてしまい、いきおい大衆に迎合して自分を見失ってしまうことが往々にして起こる。そうなってしまうと、ブログを書く本来の楽しみが失われてしまい、一体誰のためにこんなことをしているのかわからなくなってしまう。これでは書き手も読み手も不幸だ。著者は、このように自分らしさを失ってしまったブロガーには、しばらく休養をとることを勧めている。休養をとったあと、再び〈書きたい〉という気持ちになったなら、そのときにまた復活すればよい。ブログとは、不特定多数を楽しませるためではなく、1人のオーディエンス、つまり書き手自身に向けて書くべきであると主張している。

もう一つ忘れてならないこととして指摘されていたのが、「ブログに一旦書いたことは、あとから訂正がきかない」ということ。確かにブログツールの編集機能を使えばあとから修正することはできる。しかし、修正するまでの間にサーチロボットにキャッシュされてしまえば編集前のテキストがどこかに残ってしまうし、第一、書いた内容を、あとから事情が変わったからといって、その履歴を残すことなく簡単に修正したり、削除して最初からなかったことのようにできてしまうようでは、媒体としての健全性に欠けるではないか。ブログに一旦書いた内容を修正するときは、リライトしたり削除したりするのではなく、追記という形で補足するのが正しい使い方である、というのである。これは独りブログに限らず、ウェブサイト全般にいえることなのだが、ひとたび発言するからにはその内容には最後まで責任をもつべきである、という著者の主張は、首肯せざるを得ないものがあった。

毎日コミュニケーションズ。本体価格\1,905。

「夜伽草紙」のiモード版(http://www.himemiko.info/mt4i.cgi?id=3)を作った。

携帯電話からMovable Typeのコンテンツを読む方法として、いくつかソリューションがある。いちばんオーソドックスなのがMT4iを使う方法。僕のサイトのiモード版もこれを使っている。が、しかし、これだとサイトにアクセスするごとにいちいちCGIを走らせなければならないので、サーバの健康にも良くないし、ページのレイアウトもCGIで決めてしまうので、いまいち自由度に乏しい。せっかくテンプレートから静的にHTMLファイルを吐き出す仕様になっているMovable Typeなので、携帯仕様のテンプレートを用意し、携帯用の静的なHTMLページをつくってはどうだろう、という発想もある。

NAOCHAN.COMで、Main Indexと各種Archiveについての携帯電話用テンプレートが提供されている。これをMovable Typeのテンプレートとして登録し、指定したパスにページを書き出す設定にすれば、携帯電話用のページを作ることができる。iモード版だけでなく、au版のテンプレートも用意されている。

そのほかの関連サイト
冷麺:Movable Typeの携帯対応
冷麺:Movable Typeの携帯対応 2

王子駅の近くにて。

200402271213.jpg

「マッサージ施術室 指圧 乳揉み」って……

CuPhone社からインターネット電話が出ている。USB Internet Phoneという専用の電話機をPCのUSBポートに接続すると、インターネット経由で同じCuPhone社の電話機をもつ相手と通話することができる。電話機はUSB Internet Phoneを使ってもいいし、USB to RJ11 adaptorというアダプタを経由して普通の電話機をつないでもいい。USBポートに接続さえすれば、特別なドライバをインストールしなくてもPCで認識する。プライベートIPアドレスが割り当てられているLAN上や、ファイアウォール内部のPCでもOKだ。

USB Internet Phone
USB Internet Phone

電話機の制御はIP Phone CenterというアプリケーションをPCにインストールしそのアプリケーションで行う。IP Phone CenterはWindows Messengerのような格好をしており、登録した相手がオンラインであれば、呼び出して電話をかけることができる。

それだけなら、ちまたで流行りのインターネット電話と何ら変わらないのだが、CuPhone社のIP電話のすごいところは、CuPhone社のある米国サンノゼに、一般に公開されているデモ版のPersonal Phone Gatewayがあって、そのゲートウェイ経由で、サンノゼ市内の市内通話(アメリカの市内通話は無料)と、米国内のフリーダイヤルにかけることができるようになっている。日本からでもアメリカのフリーダイヤルに無料でかけられるというのは、けっこう使いでがあるのではないだろうか。

USB Internet phoneは販売価格39ドル、USB to RJ11 adaptorは59ドル。日本への送料はGlobal Priority Mail (GPM)を使うと10ドル。

鼻水が出てきたような感じがしたので、急いでティッシュを取り出して、鼻をかんだ。ティッシュを鼻から離してみると、ティッシュが真っ赤な血に染まっていたのである。

毎月、血を見ていて慣れている女性たちと違って、男性は血を見るとたいていうろたえるものだ。それが自分の身体から出ているものであるときは、なおさらだ。僕はあわててトイレに駆け込み、自分の顔を鏡に写してみた。鼻の中から血が溢れ出ており、一向に止まる気配がない。鼻血が出たときには上を向いてはいけないらしく、鼻をつまんだまま下を向いていなければならない、と救急法を習ったときに聞いていたので、上を向きたい衝動を必死で抑えながら、血が止まるまで小鼻をつまんでじっとしていた。

鼻血なんて出したの何年ぶりだろう。僕の記憶では、もうかれこれ20年ぐらいは鼻血と無縁だったんじゃないだろうか。どうして鼻血が出てしまったのか、思い当たるふしはまるでない。僕はさっそく、Webで鼻血について検索してみた。

鼻血の原因にはいろいろあって、爪などで鼻粘膜を傷つけたり鼻を強く打ったりなどの外的な要因のほかに、のぼせたり、病気などが原因で起こることもあるらしい。鼻血が出る病気――いろいろ調べていくうちに、僕は、ある最悪の可能性に思い当たった。

白血病――白血球が異常に増えるという、いわゆる「血液の癌」といわれる病気である。血液の成分として主に赤血球、白血球、血小板というものがある。赤血球は血の赤い色のもととなっていて、体内を循環することにより酸素を全身に運ぶ役割がある。白血球は血液中に入ってきた細菌やウイルスを殺す作用があり、血小板は血液を凝固させて出血などを止める働きがある。白血病は、そのうちの白血球が異常に増殖する病気である。正確には、白血病細胞とよばれる血液の腫瘍細胞が増加して、正常な造血機能を損なうのだそうだ。

古代ギリシャの時代から既に記録されている病気だそうだが、この病気にかかるとどうなるかというと、白血病細胞が血液中に増えすぎることによって血液の循環が悪くなり、脳や肺がつまる、いわゆる脳梗塞や肺塞栓になったり、腎臓に血液がめぐらなくなることによる腎障害が起きたりして、結果的に死に至ることになるらしい。

もっとも、今では治療法が進歩していて、このように白血病細胞が増えすぎることが直接的な死因になることは少なく、むしろ白血病細胞が増えて正常な白血球が減ることによって細菌に感染しやすくなり、それが全身を回って敗血症などを起こしてそれが致命的な結果をもたらすことが多いそうである。

ドラマなどで、白血病にかかってしまったシーンを表現するのに、鼻血が止まらなくなる、という場面がよく出てくる。白血病にかかって白血病細胞が増えると、通常あり得ない、血管の中で血液が凝固しようとする現象が起きるそうで、そのときに血小板が使われてしまうのだそうだ。それによって血小板が少なくなってしまい、本来の役割である、出血時に凝固して止血するという働きが十分果たせなくなる。その結果、鼻血が止まらなくなったり、歯茎から出血したりするのだそうだ。

白血病には急性白血病と慢性白血病とがあり、急性白血病の中でも、白血病細胞の種類によって急性骨髄性白血病と急性リンパ性白血病に分けられる。成人になってからかかるのは圧倒的に急性骨髄性白血病で、急性リンパ性白血病は小児に多いらしい。急性白血病になると、貧血や高熱、出血などの症状が急激に現れる。

慢性白血病も同じように慢性骨髄性白血病と慢性リンパ性白血病とがあるが、ほとんどは慢性骨髄性白血病だそうだ。慢性骨髄性白血病は通常は自覚症状がなく、健康な人とほとんど変わらないように見えるが、この病気になると数年のうちに必ず、急性骨髄性白血病とまったく同じような症状が現れるとのこと。これを「急性転化」と呼び、ひとたび急性転化するとその治療は極めて困難で、半年以内にほとんどが死亡するとのことだ。

さて、僕が今かりに死んだとしたら、どうなってしまうのだろうか。遺品整理で部屋の中の恥ずかしい私物を遺族に見つけられては死んでも死に切れない。クルマのローンも残っているし、その他もろもろの身辺整理もまだである。ハテ困った――。

そんなことを考えながら、夕食を食べた。食べながら、そういえば昨日の夕食は脂トロトロのチャーシューメンにニンニクぶち込んで食べたっけ、と思い出した。その前の日はウナ重だった。よくよく考えてみると、最近の僕の食事は精のつくものばかりだったのだ。あり余って吐き出しどころのない精力が、鼻から吹き出てきたに過ぎなかったのだ。

ようし、今日は早く家に帰って爆発させるとするか。

通勤でいつものように丸の内線に乗っていると、向かい側のホームに、全面赤い塗装で、その横っ腹の部分に白い帯状のラインが引かれており、その帯の中に金色の波状の細い線が上下対称に2本引かれている、15年ぐらい前に見たような昔懐かしい電車が来た。昔と違うのは、車体にロッテのガーナチョコレートの広告があること。なんでもこれは丸の内線開業50周年記念としてロッテとタイアップしているものらしい。

泥棒の兄貴と弟分が話をしている。
「おう、どうだい、最近」
「兄貴ィ、さっぱりです。最近、不景気で、シノギもろくにできやしません」
「んなことあるめえよ。カネなんてあるところにはたーんとうなってるもんさ。退職金かかえてる年寄りなんて、大金持て余してンだろうよ。そういう奴から、奪っちまうのよ」
「どうやってやるんですか」
「銀行の機械とか、デパートの機械とかでカネ下ろしたところ、狙っちまえばいいのよ」
「そううまくいくもんですかい。第一、そういう機械じゃ、防犯カメラだってあるだろうし、すぐ足ついちまいますよ」
「女使やあいいのよ。それも子連れの女がいいな。よもやガキ連れた女が強盗するなんて、誰も思わねえだろうよ」
「だけど、女に強盗なんてできるんですかい」
「なあに、抵抗されたら、『泥棒!』とでも叫んでやりゃいいのよ。そしたら周りの正義感強い連中がわらわら寄ってきて、そのジイサンを捕まえてくれるさ。日本人ってのはフェミニストが多いからよ、女のほうが被害者みたいにしてたら、みんな女の味方さ」
「なるほど、さすが兄貴っすね」
「んで、どさくさにまぎれて、ジイサンが下ろしたカネでもつかんで適当にトンズラこきゃ、大成功だ」
「でも、途中で警察が来たりしたら厄介じゃねえすか」
「警察が来たって、状況からすりゃとっ捕まるのはジイサンのほうさ。女の言い分とジイサンの言い分じゃ、どう考えても女のほうを信じるって。女の味方して、ジイサンが逃げないように押さえつけててくれるだろうよ。うまくすりゃ、絞め殺してくれるかもしれねえぜ。なぁに、三重県警ならそのぐらいやるんじゃねえか」
「だけど、そのジイサン、浮かばれねえな」
「なぁに、誰も責任なんて取りゃしねえんだから、気にすることねえって」
「防犯カメラに証拠が写ってるっしょ」
「警官が無抵抗の一般人をボコボコに殴り倒して制圧してるところなんか、警察が公開するかよ。そんなのマスコミの手に渡ったりしたら、えらいことだぜ。適当にもみ消して、オクラにするに決まってらあ。どうだい、これで完全犯罪だ」
「さすが兄貴、あったまいい!」

そこへやってきた三重県警の警察官。
「オイコラ、おまえたち! 良からぬこと考えてんじゃねえだろうな! 変なことしやがると、うつぶせにして後ろ手錠で床に20分間押し付けるぞ! 文句があるか! 文句があるならここに言え!

NHKのBS2「週刊ブックレビュー」に、先日芥川賞を受賞した金原ひとみさんがゲストで対談していた。NHKなので、あまり過激なことは言わず、多分にぶりっ子風の話し方をしていたが、対談全体を通して感じたのは、彼女もまた、「ものを書く」ということに魅せられた一人のようだ、ということだ。

こんなところでちょろちょろっとゴミみたいな文章を書き散らしているだけの僕が語るのもおこがましいのだが、ものを書くというのは、以前もこのブログで触れたように、一番手っ取り早くコストのかからない表現手段で、わりと誰にでも始めやすい。金原さんも、たまたま書くことが好きで小説やら短編やらを書くようになり、そこへ天性の才能がジャストフィットして、ついには大きな花となって開いたということだろう。「一生、書くことはやめないと思います」と語る彼女。人生としてはこれにまさる幸せはあるまい。

あまり若いうちから「物書き」をやるのはよくない、という意見もある。書くという仕事は最高に集中力を要求される職業で、その集中力を何ヶ月、何年という長期間、維持しなければならない。そうやってずっと集中状態で執筆に専念し、やっと作品を書き上げたあと、それまで出っぱなしだったアドレナリンがおさまらずに、ハイなままになってしまって、それを自分でコントロールできなくなってしまうことがあるらしい。そうなると、精神的なバランスが崩れてしまう。

僕もこのブログを夜中に書いていると、だんだん目がさえてきて書き終わった後も眠れなくなったりすることがある。たかだか数千字程度の短い文章を書いてさえもそうなのだから、ましてや長編小説など書く作家さんなどは、こんなものではなかろう。

そして、集中状態をリセットするために、アルコールを入れたり、クスリに頼ったりすることになり、それでもおさまらないと、いよいよ心の病を発することになる。そういえば、昔から作家といわれる人の自殺率は半端じゃない。

金原さんは、「書くことは小さいときから自分の生活の一部で、いわば日課のようなものだ」とさらっと語る。自分の「こころ」に自分で折り合いがつけられるというのは、相当の精神力の持ち主だと感心させられる。

彼女は小学生時代に不登校に陥り、そのあとは歌舞伎町を徘徊してパチスロに明け暮れ、配管工の彼氏と同棲して今に至るとのこと。「2ちゃんねる」風に言えばまさに絵に描いたような「ドキュン」と言えるのかもしれないが、物書きというものは大体において破天荒なものである。僕のようにどちらかというとボンボン育ちで、レールの上をある程度外れずに生きてきたような人種からすると、彼女たちのような自由な生き方がある意味、羨ましかったりすることもある。

「がんばって生きてる人って何か見てて笑っちゃうし、何でも流せる人っていいなあ……」と悪びれず言ってしまう態度に反感を持つ向きもあるようだが、若いからこそ許される、20歳の無邪気な発言と鷹揚に構えたい。これから、密度の濃い体験をいろいろ重ねて、人間としての深みの備わった作品を何十作も出してほしい。

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http://900i.nttdocomo.co.jp/

新しく発売されるN900iを密かに狙っていたのだが、いつ発売されるのか今までアナウンスがなかった。2週間ほど前にF900iが発売されたきり、900iシリーズの他機種については全く発売予定が見えず、もう半ば忘れ去っていたくらいだったのだが、今日、昼下がりに気まぐれに近所のドコモショップに足を運んでみると、N900iのオレンジ色の筐体がディスプレイされていた。

なんということだ! いつの間に! どうやら今日から発売開始になったらしい。発売日の午後にもなると、もう既に端末の在庫は底をついていた。

直前まで何もアナウンスがなく、いきなり奇襲攻撃のように一気に放出するやり方に悔しさを感じながらも、他に在庫の残っているショップはないものかと思い、小さい店も含めてほうぼう探し回ってみたが、どこも在庫はないということだった。さらに、ショップの店員の言うには、
「契約から10ヶ月たっていますか? 10ヶ月以内だと、16000円増しになりますよ」
とのこと。よく考えてみると、契約したのは去年の6月だったので、今日でまだ8ヶ月ぐらいしか経っていない。あと2ヶ月待って安く買うのも悪くないかもしれない。それに、2ヶ月後にはまた新機種が出ているかもしれないし。そう思い直すことにすると、急にN900iの魅力が色褪せてしまった。

今月号の「文芸春秋」の売れ行きが著しいらしい。20歳と19歳という史上最年少の女性2人が今年の芥川賞を受賞し、その作品が掲載されているのだ。純文学など高校以来とんとご無沙汰だった僕だが、このたびの話題性に乗じて、彼女たちの作品を読んでみた。

まず、金原ひとみ「蛇にピアス」 身体改造、刺青……そのあまりのエキセントリックなあらすじに当初は嘔吐感を催すほどの抵抗を感じたのだが、実際に手にとって読んでみるとそうでもなく、19歳の女の子のピュアな愛の物語という体をなしていた。主人公が同棲している彼がもっている、先端を二つに裂いた舌(スプリットタン)に憧れて自分もその舌を得るためにピアスで自分の舌の穴を拡げ、また店で出会った人の麒麟の刺青に感動して自分もその刺青を入れる。あまり書くとネタバレになるのでこのへんにしておくが、好きな人の属性をすべて自分の中に取り込みたい、愛する人に近づきたい、というひたむきな想いが、痛いほど伝わってきた。これは著者の金原さん自身の実体験にも裏打ちされたものかもしれない、と思い、切なささえ感じられるほどである。

プロットは基本に忠実に、導入部ではピアスの拡張やスプリットタンの説明を通してうまく読者をこの世界に誘導し、登場人物のキャラクター設定、主人公の周りで起こるいろいろな出来事の描写を経て、クライマックスに持ってくる。そのあとの結末の描き方が少し理解できなかった面もないではなかったが、小説としてはおおむね面白く読めた作品だった。作中のこれでもか、これでもかという過激で露骨な性表現がかえって小気味よく、パンクな世界を引き立たせていた。

僕はこの作品、単行本も読んでみたことがあるのだが、ラストシーンは文芸春秋のほうでは若干書き換えられている。個人的には文芸春秋バージョンのほうがうまくまとまっているように感じたのだが、どうだろうか。

次に、綿矢りさ「蹴りたい背中」 こちらのほうは、申し訳ないが、何が云いたいのかよくわからなかった。まず文の流れが単調で、読んでいて退屈する。文中の過剰な比喩やレトリックが多すぎてお腹いっぱいになる。なんとなく集団に染まるのを拒絶し、世の中を斜に構えている「私」とアイドルオタクの「にな川」との交流を通じて、「私」の「にな川」に対する心の変遷を描いているらしい、ということは読み取れるのだが、全体的に文体がさらっとしすぎていて、「蛇にピアス」のように読後に澱のように残るものがない。退屈なのを我慢してしばらく読み進んで、ようやっと少しノッてきたな、と思ったら、いきなり〈了〉と書かれていて、「あれ? もう終わり?」と拍子抜けした。全体を通してこの作品のメッセージを読み取れなかったのは、悲しいかな生粋の理科系人間を自認する僕の文学的感受性の欠如に因るものか。

批判ばかりでも公平でないので、少し良かった点を書いておくと、相手の男子の名前を難しい漢字の「蜷川」ではなく、ひらがなの「にな川」とした点は、読者にちゃんと読んでもらいやすく、印象づけやすいという点で、プラス点ではなかっただろうか。

http://www.yomiuri.co.jp/culture/news/20040220i413.htm

今日は芥川賞の授賞式。「話題作りのための受賞」と揶揄する向きもないではないが、これを機に、ふだん活字とは縁のなかった人が、文芸作品の世界に入り込む糸口にでもなれば、それだけで文春側の作戦勝ちというものだろう。

僕のメインバンクのひとつであるCitibankのドメインのメールアドレスから、こんなEメールが来た。

Dear Online-Citibank Member,

This letter was sent by the Citi sever to verify your email address. You must complete this process by clicking on the link below and entering in the little window your Citibank ATM/Debit Card Number and card pin. This is done for your protection because some of our members no longer have access to their email address's and we must verify it.

To verify your e-mail adress and access your Citibank account, click on the link bellow. If nothing happens when you click on the link copy and paste the link into the address bar of your web browser.

http://www.citibank.com

---------------------------------------------
Thank you for using Citbiank!

要約すると、「あなたのEメールアドレスが有効かどうか確認するために、下のリンクをクリックして、ポップアップするウインドウの入力画面にあなたのキャッシュカード/デビットカードの番号と暗証番号を入力してください」というものだ。文中のhttp://www.citibank.comというところにハイパーリンクが張られており、リンク先は
http://www.citibank.com…(中略)…@www.libihost.net/secureserver/popup.asp
というサイトになっていた。試しにそのリンクをクリックしてみると、本来のシティバンクのホームページへRefreshされ、同時に下のような小さいポップアップ画面が表示された。

popup040218.gif

Eメールの有効性とATM/Card NumberやPin(暗証番号)とがどう関係するんだ。あまりにも意図があからさまで、かえって笑ってしまうくらいだ。

ちなみに(本物の)シティバンクのホームページではこの手の騙しサイトに対する警告記事が書かれていた。ふだん英語に親しんでいない日本人の場合、英語のメールが来たというだけで警戒するであろうから、この手のメールに騙されることは少ないであろうが、海外との接点が多い人の場合、うっかり信用してしまうこともあるのではないだろうか。十分気をつけたいものである。

近しい人に向けて何気なく発した一言が独り歩きして、社会不安の原因となることがある。特に第三者から漏れ伝わってきたことは、根拠もなく広がりやすい。

「佐賀銀行がつぶれる」とのデマメールがきっかけで佐賀銀行の店舗やATMに預金者が殺到した取り付け騒ぎ事件について、デマメールの発信者が特定された。県内の20代の女性が、知人からそのような話を伝え聞き、友人ら26人に携帯電話のメールを転送し、それがいつのまにかメーリングリストなどを通じて広まったのが原因とのこと。女子高生の何気ない会話が一金融機関を破綻にまで追い込んだ「豊川信金事件」の記憶を呼び起こさせる。

情報を鵜呑みにした送り主の女性は軽率との謗りは免れないものの、銀行が破綻するという情報を友人に知らせなければという、いわば善意から出た行動であることや、佐賀銀行そのものに対する攻撃の意図がなかったとのことで、書類送検にとどめられたが、刑事的にはこれで決着したとはいえ、ATMから合計180億円が一斉に引き出され、現金が一時的に不足するなどの大きな被害を受けた銀行側としては、民事でどのような対応をするのか注目されるところだ。

名もない一個人が対等に情報を発信できるのがネットの一番の利点ではあるが、同時にそれは、個人の発言が社会全体に及ぼす影響もまた大きいという恐ろしさもつきまとう。つい不用意に発した情報のために、一生を棒に振ることにもなりかねない。今回の一件を他山の石とし、ネットでの情報の取り扱いには細心の注意を払いたい。

上野に出かけていたのだが、風がきつくてコンタクトレンズをはめた目はとても開けていられなかった。

春一番」 日差しが増してくると、ユーラシア大陸の地表面が暖まり、大陸の寒気団が弱まって西高東低の冬型の気圧配置がくずれ,寒気の吹き出しも少なくなってくる。日本海上では温帯低気圧が発生し、発達しながら北東に進むようになり、発達した低気圧に向かって日本列島上空を最初に訪れる南よりの強風のことをこのように呼んでいるそうだ。1859年(安政6)2月13日に五島列島沖に出漁した壱岐郷ノ浦の漁師53人が強い突風にあって遭難してから、このように呼ばれるようになったのだが、春を迎えるためには、避けて通れない自然現象だ。このあと三寒四温を繰り返しながら、本当の春がやってくる。

考えてみると、今の日本経済の状況も、きわめてよく似ているのではないか、と考えるのである。日本経済の春は、近いのだろうか。

牛丼が尽きると途端に殺伐としてきましたなあ……
牛丼販売中止で暴れる 35歳男逮捕 茨城

タイーホされた容疑者は「牛丼が販売中止になることを知らなかった」と供述しているらしい。
もうね、アホかと、バカかと。
お前な、新聞も読まずに吉野家行ってんじゃねーよ、ボケが。
小一時間問い詰めたい。

ところで、吉野家が牛丼を止めたら、松屋とかなか卯とかの同業他社まで横並びで販売中止するのは何故だろうか。
「500円するけど、国産牛肉を使った牛丼売ります」っていう店が1つぐらいあってもいいと思うんだけどなあ……今だったら客来るよ。業界の慣習として、そういう抜け駆け行為はしないのかな……ド素人の僕にはよくわからない。

ド素人は牛鮭定食でも食ってなさいって?それも今は無いんだよな~。トホホ。

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出先で仕事をしていると、昼飯時にどこで食事を取るかで頭を悩ませることになる。そこいらの食堂やレストランなんかはたいてい込んでいて、下手すると食事をするだけで昼休みまるまる費やしてしまう羽目になる。そのせいか、僕はたいていマクドナルドとかそんなファストフードですませることが多い。

今日もマクドナルドに行くと、1階は普通の客席で、地下に「ファミリー&レディース用」というスペースが用意されていた。家族連れや女性客をいかに集めるかが店の命運を分けるとさえいわれているので、その集客のためにはいろいろな配慮、工夫がこらされているようだ。それに対して、男の独り客というのは、最も歓迎されないらしい。一番おカネを落とさないからだろうか。男の独り客は、いつも居場所に困る。込んでいるときに4人席しか空いてなかったりして、仕方なくそこに座ると、後から来る客の視線が痛い。

食べる所に限らず、ショッピングでもしかり。最近のデパート(百貨店)は、紳士服売り場がなくなってきつつあるらしい。会社帰りにふとデパートにでも立ち寄ろうとして、有楽町のとあるデパートにふらっと入ってみたのだが、そのデパートも、どのフロアを探しても婦人服・婦人雑貨売り場ばかりだった。まあ確かに男がデパートで買い物なんてあまりしないから、ショップが婦人服で占領されるのもある意味合理的なのだけど。

日本は男性中心だと言われるが、生活の上では圧倒的に女系社会なのだ。男性が外で稼ぎ、女性が家を守るというクラシックな家庭でさえも、その稼いできた給料は妻に吸い上げられ、夫には「小遣い」の名目で月数万円が渡されるだけである。千円亭主より、専業主婦のほうが上得意なのは自明の理であろう。

タイトルに特に深い意味はない。昔、僕のサイトに置いていたチャットルームの名前(チャットは夜のテレホタイムがメインだったから)を、なんとなく使ってみたくなっただけのことである。

僕にとって、ものを書くということは、他のどんな表現手段――音楽や、絵画や、演劇や、映画などといった手段――よりも、一番手っ取り早く、easy-to-doな自己表現手段だと思う。何よりおカネがかからない。特にWebというメディアでは、最低限の機材とソフトウェアさえあれば、それがいともたやすく実現できてしまう。それに、口で言うとリアルタイムでやり直しがきかないことでも、書くのであれば、あとで推敲したり、編集したり、削除したりすることができる。

僕はいままで、ホームページというメディアで情報発信してきた。それはWeb黎明期には個人の情報発信手段としては絶大かつ画期的なものであった。しかしWebという表現手段が普及し、Webにまつわる技術が長足の進歩を遂げるようになると、凝ったサイトを作るのにもお金をかけて稼動や工数を見積もり、プロジェクトチーム単位で動かさなければならなくなった。

それでは、お金も何もない一個人は、どうすればいいのか。
そこで、ブログという手段がここ1年ほどの間に急に注目を浴びるようになった。僕も今まではあまり知らなかったのだが、アメリカではブログが個人の情報発信の標準的なツールになっているらしい。ブログツールの日本語化の進歩に伴って、日本でも最近、にわかに脚光を浴びるようになっている。

新しいもの好きの僕としては、使える技術は何でも使ってみることを信条としていることもあるし、こういう流れに遅れるわけにはいかない。ということで、ブログがどんなものか、にわか勉強を始めたのが今年に入ってすぐ。それから数週間、解説書と首っぴきになりながらようやく開設にこぎつけた。

「ものを書く技術」を磨きたい――その気持ちを大事にして、毎日でも何か書けるように、ブログをいろいろ活用してみようと思う。

今はやりのブログを始めてみようかな…と思ったりする。

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